『交渉人』★★★★★
Amazonプライムで視聴。
(Amazonプライムでは原題のThe Negotiatorと記載されていました。)
サミュエル・L・ジャクソン主演。
主人公はシカゴ警察東分署で人質犯罪現場の交渉人(ネゴシエーター)を務めるダニー・ローマン(サミュエル・L・ジャクソン)。新婚ほやほや。
ある日ダニーは友人から、警察署内で年金が横領されている事実を聞かされ、翌日友人は謎の人物に殺されてしまう。友人殺人と横領の犯人に仕立て上げられたダニーは自分の無実と友の死の本当の理由を解明するために、いつもの仕事とは逆に、自身が人質犯罪現場に立てこもっちゃうという話です。
ハードボイルドなポリス映画
ダニーは意図的に人質犯罪現場を作り上げる訳ですが、ダニーは警察側の手口を知り尽くしているので、警察は全く歯が立ちません。しかもダニーは署内で人望も厚く、同僚もダニーを殺すことに躊躇しています。
序盤は完全にダニーのペースで話がすすみますが、警察の中の黒幕(お偉いさん)はダニーを殺そうとしていますので、登場人物それぞれの思惑が交じり合い、ハラハラドキドキの展開が最後まで続きます。
男だらけなハードボイルド的ポリス映画で、女性は主人公と友人の奥さん、人質の秘書くらいしか登場しません。変なお色気要素がなくて、映画に没頭できます。
アツい男達が繰り広げるアクションや同僚達との信頼関係は、燃えます。
それぞれの立位置を上手く利用した秀逸なシナリオ
この映画は駆け引きが最高です。
やはり見所は、ダニーが呼び出した、シカゴ西署のやり手の交渉人クリス・セイビアン(ケヴィン・スペイシー) との駆け引きです。
クリスとダニーはお互いを知ってはいるものの、仕事場も違いますので、特別信用し合っているというわけではありません。
なのでクリスは周囲に対して、事実だけを元に、利害関係なく、フラットに対話することができますので、この映画の中で特別な立位置となっています。
ダニー、横領した人物、買収された警察達、その他の警察、クリス、それぞれの立場からの駆け引きは息を呑む展開の連続、また友人たちとの信頼関係も見所です。
サミュエル・L・ジャクソンの名演技もあわさり、とても満足のいく映画です。おすすめです。
最後に蛇足ですが、『ケヴィン・スペイシー』は『黒幕』という言葉が並ぶと、別の映画を想像してしまいますね。
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