【映画感想】『トランス・ワールド』トムはまた生まれるのか?

3.5
映画

『トランス・ワールド』

Amazonプライムで視聴。

物語はある共通点を持つ4人を中心に進みます。
設定はおもしろいのですが、少し先が読めてしまって残念でした。
先が読めてしまった一番の原因は、「出会うはずのない3人・・・」という触れ込み。

これはちょっと良くないと思いました。

この触れ込みを念頭に見てると、散りばめられた伏線も相まって
どうしても先が予測ができてしまいます。

そうですよね、触れ込みを見るのが悪いですよね。

でもこのポスター見てくださいよ。

この既視感・・・笑うセールスマン?

物語の主人公はジョディー、ボーイフレンドのケビンと強盗を繰り返すワル。
ジョディーがケビンと強盗したお店で喪黒福蔵的な店主と出会って
人生をやり直すチャンスが与えられる、といった感じ。

サマンサ役のキャサリン・ウォーターストンはファンタスティックビーストにも出演していました。
トレンチコートが似合いすぎますね。

閉鎖的な空間で展開されるが飽きさせない

物語は基本的に小屋を中心に進みます。こういった限られた空間で
物語が展開する映画はビジュアル的に変化に乏しいので、
どうしても飽きが来てしまうことが多いのですが、
徐々に種明かししていく物語展開で、見る側に飽きさせない流れになっています。

とはいえ、ちょっとフラッシュバック描写がしつこいのと、
しつこい割りにちょっと分かりにくいので、見せたいのか
見せたくないのか、ちょっともやもやしました。

サスペンス?いやいや意外に家族愛

全体的には雰囲気も相まって、てっきり単なるサスペンスホラーと思いきや、
この映画はただのサスペンスホラーでは終わらず、物語の本質的なところでは
家族愛がテーマ
になっていて、そこは意外でした。

特に心に残ったのは、物語終盤、中々防空壕に入ってくれないサイコ父親に対して、
サマンサが言った「あなたのせいで!2人も殺して!」というセリフです。

自分の命は自分だけの命ではなく、配偶者や子どもたちの将来にも関わってくる命だということを
肝に命じる必要があると改めて感じさせられるセリフでした。

しかし、あんな形で、自分と同じような年齢の子どもに会うのは、少し憧れるなあ。

ジョディーからトムは生まれるのか?

映画を見終わってみてやっぱり気になるのは、新ジョディーから
トムが生まれるかどうかだと思います。
私は新ジョディーからはトムは生まれないのだろうと思います。

トムは、恐らく最後にジョディーの枠に収まっていた別の女性から
生まれることになるのだと思います。

そしてまたあの女性はトランス・ワールドに迷い込むのでしょう。

そう考えると、トムは一生救われることはなく、
トランス・ワールドに迷い込んだ自分の親たちを永遠に助け続ける運命であり、
それが彼の役割なのかもしれないません。

そう考えるとトムの人生はすごく切ないものだと感じます。

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