【映画感想】『雨に唄えば』ただのコメディミュージカル映画ではない!!

映画

『雨に唄えば』★★★★★

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いわずと知れたミュージカル映画の傑作ですが、今までなかなか見る機会がありませんでした。

この映画は1952年の映画ですが、細部まで作りこまれており、ただただ感心します。
全体的にコメディ要素も強く、物語のテンポも良いので安心して楽しめます。

ミュージカル映画と言えば楽曲とダンスが中心になるので、中だるみすることが多く、どうしても時間が長くなってしまう印象があるのですが、この映画に関してはテンポもよくパフォーマンスも素晴らしいので上映時間も短めの103分で綺麗にまとめられています。

CG等が発達していなかったからこそ?の圧倒的演出

演出面では、長回しのようなパフォーマンスが非常に素晴らしいです。コズモ(ドナルド・オコナー)のコメディアン風の人間離れしたパフォーマンスは正直圧巻でした。

そして終盤の、羽衣のような衣装を身にまとって、風に吹かれながらダンスをする演出の完成度の高さにも感動しました。衣装の風の流れ方はもちろん、カメラ割りも完璧でした。CGも今ほど発達していない中、一体どういう映画の作り方をしたのか不思議に思います。

もちろん、曲と俳優の歌声も素晴らしく、キャシー(デビー・レイノルズ)の歌声は可愛らしさと力強さが両立していて、役にぴったりでした。

ただのコメディミュージカルではないメッセージ性

演出だけでなく、テーマも興味深いです。

無声映画からトーキー映画に変わる際のハリウッド映画の激動をテーマにしていて、無声映画で大女優だった人が悪声のためトーキー映画では干されてしまう様は、今まで重要だったことが時代の変化によりあっという間にとって変わられる可能性があることを生々しくと見せ付けられているようでした。

また、雨の中で楽しそうに歌うドン(ジーン・ケリー)は映画史に残る名シーンですが、雨という一見悲しいシチュエーションでも、それを受け止める本人のあり方次第で、こうも楽しく、期待に満ち溢れる世界に変えてゆける、そんなポジティブなメッセージが込められていると感じます。

どうしてもつきまとうダークなパロディ

しかしながら、この映画はパロディも多く、今の時代に見るとどうしても雑念が入ってしまいます。(特に時計仕掛けのオレンジでの強烈でダークなパロディを思い出してしまいます。)

何も前情報がないフラットな状態で見たかったなと感じました。

映画自体は文句なしのオススメ映画です。

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