【映画感想】『ロケットマン』と働き方改革

映画

『ロケットマン』★★★★☆

世界的ポップスターエルトンジョンの半生を描いた伝記映画。
ドルビーシネマで視聴。

世界のトップアーティストの伝記映画

アーティストの伝記映画といえば、世界的大ヒットを記録した『ボヘミアンラプソディ』が記憶に新しいので、どうしても比較をしてしまうが、『ロケットマン』のストーリーも大枠としては、基本的に『ボヘミアンラプソディ』と同様である。

この二つの映画の違う点は

・主人公エルトンが過去を振り返る形をとっていること。
・ときおり、ミュージカル要素があること。
・本人が存命であること。

が大きなところかなと思う。

エルトンの名曲、タロン・エガートンの名演が光る

映画の内容としては、エルトンジョンの名曲の数々を効果的に、ミュージカル的に多数散りばめており、名曲が制作された背景や、制作されたときのエルトンの心境などを知ることができ、非常に面白い。

また、主演のタロン・エガートンは『キングスマン』に出演していた俳優であるが、『キングスマン』での若々しく女たらしで少しチャラい役柄とは打って変わって、アルコール依存症で薬物中毒、買い物中毒でハゲたゲイのポップスターを演じている。

タロン自身で劇中のエルトンの曲を歌い上げており、歌唱力と表現力に圧倒される。
特にYour songのシーンは楽曲、歌詞、演出も相まって本映画一の感動的なシーンである。

『ボヘミアンラプソディ』との大きな違い

冒頭でも書いたとおり、正直なところ『ロケットマン』と『ボヘミアンラプソディ』は、かぶるところが多数ある。

冴えない音楽好きの若者が、自分に芸名をつけ、音楽で類まれなる才能を見せ、一気にスターダムを駆け上がっていくが、お金に関しては不自由のない暮らしを送ることになるが、後に同性愛者であることを自覚・公表し、 他人の愛に飢え、自暴自棄になってしまい、アルコールや薬物におぼれてしまうといったのが大きな流れであるが、この映画が『ボヘミアンラプソディ』と大きく違うのは、主役であるエルトンが生きていることである。

この違いがこの2つの映画の性質を大きく分けていると思う。

『ボヘミアンラプソディ』ではフレディが死ぬことで彼と映画自体が神格化され、視聴者に感動を与えているが、『ロケットマン』のエルトンジョンはアルコール依存症、薬物中毒を克服し、今もまだ存命である。

ステージ上では輝かしい彼であったが、ステージを降りてしまえば、一人の人間である。
彼は他人の愛に飢え、悲しい生活を送っていたが、友情や信頼関係など本当の愛を知ることで幸せな生活を手に入れた。

エルトンの近況は映画のエンドロールで紹介されるが、現在は配偶者や子どももいるようだ。

『ロケットマン』は働き方改革にも通じるものがある

昨今は日本でも働き方改革などで、プライベートも充実させようという動きであるが、一流のスターでさえも、プライベートの充実(という言葉では少し軽い気もするが)、本当に大切なもの、家族や、大切な人と過ごす時間が人生を豊かにするために必要なのだという答えに行き着いたのだなということが感慨深かった。

この点から、 『ロケットマン』は 『ボヘミアンラプソディ』と比べ、現代人により身近に感じやすい映画となっているのではないかなと感じた。
(買い物中毒は治っていないというオチも人間らしい。)

大切なのは人生を豊かにすること、とはいえスターには憧れる

彼の場合は、人生の酸いも甘いも知ったうえでその答えに行き着いているのだから、家族や大切な人と過ごす時間を大切にするといったことはやはり人生の真理みたいなものであるのだなと感じた。

とはいえ私はスターダムを駆け上がっているわけではないので、やはりスターになることを夢見たりもしてしまう。だって人間だもの。

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